ボーっと過ごしてみたい

旅の本を見たり、テレビでホテルや観光地の紹介を見たりすると、やっぱり行ってみたいなって思いますよね。何にもしないでボーっと過ごせたらどんなにイイかなって。海外の海辺のハンモックで風を感じながら読書をするなんてホントに憧れます。ホテルの部屋で美しい景色を眺めながらダラダラ一日過ごすなんていうのも、魅力的です。いつか実行してみたいって思ってはいるんだけど、冷静に考えてみたら、私には無理なんだと思います。なぜなら、ボーっと一日を過ごすことに憧れてはいるものの、何もしないで時間を過ごすことが出来ないんですもの。時間を気にせずに読書を楽しみたいって思ってるくせに、じゃあ、何も予定のない日に本当に他のことをせずに一日中ただ本を読んで過ごすかというと、まずそれはないです。あれして、これして……そして、やっと読書の時間を確保する、なんてことになるんです。でも、これって、あくまで自分でそうやっちゃってるってことなんですよね。旅にでれば、何もしないという選択はしようと思えば可能です。けど、絶対に、ここに行ってあそこに行って、と考えてしまいます。よく『じっとしていられない人だね』なんて言われてしまいます。今度、本気で勇気を振り絞って、何もしないという選択をしてみようかな。好きな小説を読んで、疲れたらお昼寝して、好きなものを食べて……すごく贅沢な時間の過ごし方です。一年に一度くらいはやってみてもいいかも、です。

懐かしい詩

先日、たまたま読んだコラムに『山村暮鳥』の事が書いてありました。初めすぐにはどんな人だか思い出せなかったんです。もちろん名の知れた詩人だということはわかったんですけどね。そしたら、『雲』という詩が載っていて「おーい、雲よ」というあの書き出しを見て、「そうだった、そうだった」と思い出しました。初めてその詩を知ったのは、たしか国語の教科書だったと思います。学校で習ったときには、そんなに感動もしなかったように記憶しています。あまりに簡単で短い詩だから優れた作品だとは全く思えなかったんです。でも、先日、読んだときには、なんて素晴らしいんだろうって感動でいっぱいになりました。言葉の一つ一つが心の中にスーッと入って来たんです。コラムに載っていたいくつかの作品はどれも、短く何気ない言葉が並んでいるのに、そのすべてが優しく体中に淡く沁み渡っていくものでした。
彼は明治から大正時代の詩人で児童文学者です。と言っても、私は児童文学者だったことは今まで知りませんでした。童話や童謡を書いているんです。そして、小説や随筆までありました。今まで教科書の中でしか名前を知らなかった人なのに、急に興味が湧いてきました。もっともっと色んな作品を読んでみたいって思ったんです。本当に優れた作品は時代には関係ないんだと思います。

本音と建て前

この前読んでた小説に何度も出て来た『本音と建て前』。細かい心理描写が独特で人間の心の奥をすごくよく映し出してるなって感じられるものでした。だから、「心の中ではこう思うけど、表向きにはこう言っておく」なんていう表現が沢山あって、それ自体は賛同しがたいけど、大人の社会ではよくありがちな事だと思います。社会はある意味、それで成り立っているとも言えます。けど、そのことをどこかで公表してしまうと、そこから問題が発生したり誰かを傷つけたりするかもしれません。
私はまだ幼い、幼稚園の頃に、大人には『本音と建て前』があるんだと知ってしまった出来事がありました。もちろん、そのときにはそんな難しい言葉は知りません。でも、「大人の言うことは信じられない」と思ったんです。何があったかと言うと、その頃、近所の私より年下の子でよく遊んでいた子がいたんです。名前は忘れてしまいました。幼い私は遊びに行くときに時間など気にしていなかったから、ちょうどお昼ご飯くらいのこともあったようです。遊んでいたらその子のお母さんが「お昼ご飯をいっしょに食べよう」と言ってくれていたんです。今でも覚えているのが、カットしたキュウリにマヨネーズがかかったものです。おかずは他にもあったと思うんだけど、家ではキュウリをそんな風に食べていなかった私には珍しくて嬉しかったんです。でも、しばらくしたら母から遊びに行っちゃダメって言われたんです。そして、母の口から出てきたのは驚きの言葉でした。「○○ちゃんのお母さんがお昼ご飯のときに遊びに来るから、ごはんの用意をしないといけなくて大変だ」って近所の人に話してるって。「いっしょに食べよう」って言ってくれてたのにって、幼いながらショックでした。そして、私は大人には『本音と建て前』があると知ったのです。キュウリは今も好きだけど、時々、思い出すのです。だから、キュウリは私にとっては『本音と建て前の味』なんです。

漫画だからって侮れない

30秒で泣けるって話題の漫画があります。一話ずつは本当に短いものなんだけど、その中にすごく世相を映してるんです。だから、その内容には深く考えさせられるものが多くあります。世の中で起こった事件を取り上げてるときもあれば、賛否両論があって世間で話題になっていることが題材のときもあります。
先日、その漫画を久しぶりにまとめて読みました。最近の出来事の考察とでもいうようなその内容に心を打たれました。「あの事件からこんなことが反省できるな」とか「世間ではこんなことをよく言われてるけど、本当にそうなんだろうか」など、問題提起をこちらに投げかけてるように思われます。読んだことでその内容を自分のことのように受け取って考えたりするのって、まるで小説のようです。もちろん、漫画だから気軽な感じなんだけど、訴えてる内容は奥が深く、なかなか侮れないなっていう印象です。
世の中の流れに意見をするって、すごく勇気がいることだし、反感を買ったりもすることです。でも漫画だから、そこは重たい問題であっても受け入れやすいのかもしれません。ややもすると、あたり前になってしまっていることに問題提起をしているところが素晴らしいと思います。「確かにそうだ」って思って改めて気づくことも多いんですもの。無意識に話していることで他人を傷つけていないか……よく考えてみたら、一般的によく耳にすることだって、そうとも言えないということもありますしね。この漫画を読むことで、自分の心に問い掛けるきっかけになるんです。

子供に読ませたい本

芸能人の中にも読書家の人は結構多いですよね。インテリと呼ばれている人も多いです。そんな中、ある芸人さんが本をピックアップして紹介してる記事を先日、見かけたんです。その人は高学歴で、いつもインテリ芸人と呼ばれています。けど、面白いのは彼が紹介していたのが『子供に読ませたい5冊』というものだったんです。だって、彼は独身だし、結婚の噂もないんですもの。でも、記事を読んでみると、それらの本は彼自身が小学校、中学校、高校のときに影響を受けたものでした。ひとつのエピソードとして、塾の国語のテストの問題文として初めて読んだ詩があまりの衝撃で問題を解くどころではなかったと書いてありました。それって、すごい感性だと思います。ただ者じゃないなって思えますよね。ピックアップも独自の観点からで、児童文学などは「世の中は綺麗ごとばかりではない」ということを表している物語が紹介されています。彼自身、学生の頃に作家を目指していたこともあるんだそうです。けど、紹介している小説のひとつを取り上げて、あまりの素晴らしさに自分にはこんな面白い文章は書けるわけないと打ちのめされて作家になることを諦めたと書いてありました。記事からは彼が本当に文学的な人間なんだと強く感じます。そして、彼が紹介している5冊。私も読んでみたいです。

その時間を有効に

先日、車の点検に行ってきました。半年に一度の定期点検だけど、いつも待ち時間が楽しみなんです。その時間を有効に使いたいって思ってるから、やらなきゃいけないことがあれば、持ち込んで待ってる間に片づけてしまうこともあります。ドリンクサービスがあるから、なんだか寛げたりもするんですよね。それに、色んな種類の雑誌や本が置いてあるから、それを読むことも楽しみです。先日は料理雑誌を読みながら点検が終わるの待つことにしました。仕事から疲れて帰って来ても簡単に作れて美味しそうなメニューがないかと思って。もちろん、コスパも大事です。ページをめくると、安価な鶏のむね肉を使ったメニューだけでもいくつも載っていました。すごく簡単なのに写真を見ると手の込んだ料理に見えるものばかりで、思わずスマホで紙面の写真を撮りました。なんて言ったって美味しそうなんですもの。そして、そんな雑誌でさえ、一言一句も漏らすことなく読んじゃうのは、普段小説を読んでる習慣からですよね。我ながら、「雑誌なのにこんなに真剣に文字を追う?」と可笑しくなりました。ふつうは雑誌なんてそんなに時間をかけて読まないと思うんだけど、私の場合は車の点検が終わったときには、その雑誌、まだ半分も進んでいませんでした。後半に目を通してないことが心残りだったんだけど、「お待たせしました」って言われてしまって諦めて本棚に戻しました。点検を終えたピカピカの車は快適だったけど、ちょっと後ろ髪引かれる思いでの帰宅になりました。

いくら寝ても眠たいのは

最近、寝足りないのなってすごく思うんです。やらなきゃいけないことがあって深夜まで起きていたり、朝早く起きる必要があったりです。そんな日はもちろん、仕事中に睡魔と戦うことになります。知らない間にパソコンのキーボードを連打してることがあって、ハッと気づいたときにビックリです。恥ずかしくって思わず周りを見てしまいます。これとよく似たことは学生の頃にもありました。当時はノートに向かってて、気づいたら、なんだかワケわからないヒョロヒョロの線が無数に書いてあったこと。でも、たまに、十分寝てるはずなのに我慢できないくらい眠くなってしまうことがあります。それは起きるタイミングの問題かもしれません。先日、読んだ記事に書いてあったんです。人間には起きるタイミングがあるらしいんです。それは眠りに入ってから、4時間半後、6時間後、7時間半後なんだそうです。ちょうどそのタイミングでレム睡眠、つまり浅い眠りになるから、そこで目覚めればスッキリと理想的な目覚めになるんだって。たった4時間半でも理想的っていうのがビックリですけどね。けど、この時間を逃してアラームで起きたのなら、スッキリと起きられていないのかもしれません。だから、十分寝たはずなのに、いくら寝ても眠たいなんてことになるのかも。そのタイミング、ちょっと心がけてみようかな。

面白いって思っていたのに

時々読む、小説以外の本。自己啓発関係の物やビジネス関連のものです。今、読んでるのは仕事に活用できそうなビジネス書です。ネットで書籍を見ていた時にたまたま見つけたものです。だから、そのままオンラインで購入しました。読み始めた時には、ビジネス書なのにこんなにも面白いのかと驚きながらページをめくりました。まるで小説のようにその続きに惹かれていたんです。でも、仕事の緊急な用事があったりして読み進めていくことができずに、そのまま止まっていたんです。そしたら、ある日、その本の著者から郵便が届いたんです。たぶん、ネットで買ってから1週間くらい経っていたから、もう読み終わった頃だと思って送ってきたんでしょうね。それは、本の内容とリンクしている通信教育の案内だったんです。ご購入者だけの特典として……って、スキルを身に着けるために通信教育の半分は無料になるような内容の冊子が添えられていました。「ははぁ、そういうことか」って、なんだか一気に気持ちが冷めていくのを感じました。真の目的は高価な通信教育を販売することだったのかと。セールスマン的には、本に興味を持った人に通信教育の案内をした方が効率がよいと思うでしょう。実際にそうだと思います。何の興味もない人に案内したって仕方ありませんものね。けど、私にはマイナス効果でした。まだ本は読んでいますけど、あんなに面白かったのに、なんだかつまらなくなってしまったんです。人間の心理って不思議ですね。本来は人間の心理を上手く活用するとビジネスは成功するんですけどね。

その本はプレゼント

先日、友人からメールがありました。近いうちに宅配便で荷物が届くから受け取ってほしって。それも職場に。しかも着払いで。私が自宅にいない時が多いから職場の方が確かだろうって考えたらしいんです。まぁ、それは間違ってはいません。けど、着払いって……もちろん、あとでお金は返すからと書いてありました。そこまでは「仕方がないな」って感じだったんだけど、その後の文章がちょっと普通ではなかったんです。その荷物は1冊の本なんだけど、私へのプレゼントだっていうんです。小説ではなく、どっちかっていうとビジネス関連の物らしくて、きっと私の役に立つからって選んでくれたんですって。もちろん、それは嬉しいです。けど、着払いで私が支払いをして、あとでお金を返してもらうっていうところが何とも違和感がありました。きっとそうなるわけが友人にはあったんだと思うんだけど。プレゼントなのに?って。でも、そこは仲のイイ友人だからこそ成せる技だとも言えます。だって、普通、誰かのプレゼントなのに、「届くからお金払っといて」はないでしょ。まぁ、彼女らしいなって笑えるんですけどね。けど、私の事を考えてくれてることだけは確かです。長年の友人ですから。そして、読書友達でもありますしね。今、手元にその本があります。ちょっと忙しくてまだ読み始めてないんだけど、なかなか面白そうです。そして、きっと近いうちに彼女と会うことになると思うからランチでもしながら、『こんな形でプレゼントする人は他にはいない』って笑い飛ばしてあげようと思っています。もちろん、感謝を込めて。

駅前絵広場は憩いの場

職場の最寄り駅には駅前広場があります。そこには大きな木がいくつも植えられていて、緑豊かな広場です。駅から降り立って広場を見渡すと、いつも多くの人が目に飛び込んできます。春夏秋冬、もちろん、季節によって人々の服装やくつろぎ方は違いますけど、いつの季節にもその光景はあるんです。待ち合わせをしている人やお喋りをしている人など様々です。真冬以外は木陰でお昼寝をしている人だっているんです。木陰のランチは季節には関係ないみたいです。まぁ、さすがに冬は寒そうですけどね。けど、意外にも季節に関係なく本を読んでる人も多いんです。そこでの読書を楽しんでるのか、時間をつぶすためにそこで読んでるのか、それはわかりませんけどね。私も春風に吹かれながら木陰で本を読むことをイメージすると、すごく気持ちが和みます。そして、年中毎週末にはフリーマーケットも開催されています。その日は特に朝から夕方まで本当に賑わっています。外国人の観光客の人達もそこで楽しんでいる様子を目にします。だって、通常のお店では絶対に見つかりそうにない物がありますもの。骨董品らしきものやサイズがあるのかないのかわからないような個性的な洋服やマニアックなおもちゃだったり、アクセサリーだったりと、見ているだけでも楽しいのは間違いないです。そうそう、古めかしい本も売っていて、そこを私は覗きます。完全に日常に溶け込んでいる駅前広場。そこを通り抜けて行く間に見える光景を楽しみながら、私はいつも通勤してるんです。