義理人情がたっぷり詰まったマンガを胸に眠る夜

夜眠る前の至福で幸せな時間は大切にしたいものです。私はそんなこの上ない幸せを味わう一つの方法として読書を取り入れています。小説や随筆など様々な本を手に取っていますが、ここ最近はマンガを読んでいます。その作品は一話完結の夜に開く食堂のお話です。この物語は美味しい料理はもちろんのこと、骨身にしみる人情と男と女の心情がしっとりと描かれており、心に深く響きます。本当に作品に出てくる食堂で常連客と一緒にご飯を食べている気分になるのも不思議なものです。また登場する料理も庶民的で身近なのも乙だと感じます。
さて昨晩このマンガを読んでいたら、近しい女友達のことを思い出しました。今から5年位前に出会い、よくお酒を一緒に飲んだものです。時には赤提灯灯る酒場で、またある時はファミレスと場所を変えながらもお互いのことを語り明かしたよい時間を過ごしてきました。そして彼女もまたこの作品の大ファンで、新刊が出る度に二人でよく話したものです。友人は「義理人情たっぷりなストーリーが心優しくて胸が熱くなる」と語っていました。あれから年月が経ち会うことも少なくなりましたが、これを機会にまた連絡しようかと考えています。熱燗片手に美味しいつまみと楽しいネタがあれば、またあの頃に戻れそうだと感じるからです。そんなことを考えていたら寝落ちしてしまったようで、気が付いたらあっという間に朝を迎えていました。そんな夜もたまには貴重だと思いつつも、また新しい一日が始まるのでした。

小雨混じりの夕刻のこと

小雨が降る夕暮れに散歩をすることにしました。降り立ったのは学生街でした。ここには中古レコードを売る店や楽器屋、少し足を伸ばすと古本屋街もあります。昔から大好きな場所でもあったため、雨にも負けず懐かしい気持ちに後押しされながらお目当ての喫茶店へと足を進めたのでした。途中一度は行ってみたいカレー屋があり、ここにいつか来ようと決心をしながらずんずんと歩き続けました。そして大きな交差点が辿り着き古本が並ぶ軒先の明かりが見え始めた頃、私の心は童心に変えったように生き生きとし始めたのでした。そんな気持ちに誘われるように、目に飛び込んできた本屋の外に置かれたラックから今の気分にあった書籍を2冊ほど購入して喫茶店のドアをくぐりました。小腹が空いていたためコニャックたっぷりのチョコレートケーキとブレンドを頼み、店員さんがカウンター越しにコーヒーを入れている姿を拝見しながら出てくるのを待ちます。ほのかに香るコーヒーの匂いがまた心地よさを醸し出し、私の幸せ度数は頂点に達しました。もちろんケーキもコーヒーも美味しかったこと言うまでもありません。この日の散歩を経験してから、またこんな夕刻を過ごしたいと日々願う私がいます。それを実現するために毎日頑張っているといっても過言ではありません。