ネタから始まるストーリー

お笑い芸人の人って、よくテレビに出ている人からあんまりメジャーでない人まですごく沢山いると思うんだけど、その人たちみんながやってる共通のことがあるんです。この前、あるコラムを読んで知ったんですけどね。実は、みんな日々ネタを作っているってことです。もちろんお客さんを笑わすためにです。彼らは笑ってもらわないことにはお話になりません。それによって、活躍できるかできないかが決まるんですから。真剣に取り組まないはずがありません。だから、何よりも最優先で必要だと思うのがネタを書くためのテーブルなんだって。お金がなくても、引っ越しをしても。コラムにはそのハンパない苦労のことも書いてありました。なんだか見方が変わりそうです。次々新しいネタがないと続けていけないお笑いを軽々しく思ってなんかいられません。こっちはただ笑っているだけですけど。
そう考えると納得できる事があります。お笑い芸人さんの中には素晴らしい小説や脚本を書く人がいますよね。今までは、畑違いでも活躍できる才能のある人っているんだなって思っていました。でも、そうじゃないんですね。日々アンテナを張り巡らせて情報を集めて、それから自分なりに考えてお笑いのネタを溜めること、その根本的なところが似ているから小説が書けるんですね、きっと。だから今ではテレビで見ても、尊敬のまなざしを向けながら笑っています。

流れ星に願う

先日、友人と一緒に食事をした帰り道のことです。その日はとってもいいお天気だったので、夕焼けから群青色の空へと刻々と変わっていく様子も雲に遮られることなく眺めることができました。しばらくすると、ひとつ、ふたつと星が見え始めました。その時、彼女が言ったのです。「流れ星にお願いをしたことある?」って。それそれ。流れ星が流れているうちにお願いをしたら叶うっていうお話。ずーっと昔から言われています。けど、私は都市伝説かおとぎ話のように思っていました。だって、いつ見えるかわからないのにお願いするなんて、ほぼ不可能だと思っていたからです。それに、そもそも流れ星自体をほとんど見たことがないんですもの。ずいぶん前になんとか流星群とかっていう流れ星の大群を見たことがあるけど、その時でさえ願い事を言うタイミングが難しかったんですから。そしたら、彼女がこの前読んだ本にその答えがあったって言うんです。いつ流れるかもわからなくて、それもほんの短い時間の流れ星に自分の願い事を言うことが出来るのは、自分の夢をしっかり自覚していて常に夢に向かって努力している人なんだって。いつもそれが心にあるから、すぐに言葉にすることができる。だから叶うんだって。なるほど。すごく明確。私の叶えたいことはなんだろう。彼女も今、自問自答しているそうです。その日私たちは星を見上げながら、今日はまだ流れないでと願ったのです。