会いたかった親子との運命的な出会い

今日の朝、運命的な出会いをしました。それは「素敵な男性との出会い」と言いたいところですが、そうではなく可愛い動物が登場する短編小説です。以前この小説が原作となった絵本を書店で見つけ、絵の美しさに一目惚れしてしまい友人の子供へのプレゼントとして購入しました。その時は内容をゆっくりと読むず、表紙に描かれていた白い雪の中に佇む二匹のきつねの愛らしさに心が惹かれてしまい、すぐさま購入を決めてしまったんです。その後読みたい思いが募りってはいたものの、プレゼント用として包装してもらったこともあり、包み紙を開けることができずに今に至ります。それから数ヶ月が経った今朝、図書館で借りた短編集がきっかけとなり再開を果たしました。絵は掲載されておらず、文字だけで書かれていたこともあり、物語がすっと心に沁みたものです。
物語はきつねの子供が手袋を買いに帽子屋さんに行くお話で、店主の優しさや親子の絆の温かさがとても印象的だったせいか、その日はいつもより幸せな気持ちで過ごすことができました。
ここ最近読んできた小説は人間の心の闇を描いたものなどが多く、どっしり重いストーリーのものばかりだったため、こんな風に癒される短編作品を欲していたのかもしれません。そして心温まる優しい小説を読むことは、大切なことだと心から思うのでした。

一人の力ではどうにもならないこともある

年を重ねてゆくと「一人で何でもできるのだ」という錯覚に陥ることがありまるものです。好きなものを食べて、好きな人と供に時間を過ごすこと、観たい映画を鑑賞することなど楽しいことがたくさんあるからかもしれません。その反面、責任ある行動や自立することも同時に覚えてゆくものだと感じます。特に「自分の責任は自分で取らなければ」という妙な責任感にさえなまれてしまうことがたまにあり、それが生き方をがんじがらめにしてしまうこともあるような気がするのです。確かに他者に迷惑をかけるのはいいことではないかもしれませんが、助け合う精神も必要です。しかしその兼ね合いがとても難しくて、悩む場面にも遭遇してきました。様々な経験を経て辿り着いたことは、どんなにタフで強靭な心を持っていても、自分の力だけで全てをやり遂げることはできないということでした。そのため時には誰かに頼る事、弱さをさらけ出すことも必要なのだと思ようになりました。今では弱さを他者に見せることは、強さだと感じています。
以前読んだ書籍に「人に借りを作らずには生きられない。もし借りを作ったのであれば必要な時に返してゆけばいい」と書かれていました。助けてもらった誰かにその恩を必ず返すことができるとは限りませんが、支えが必要な人が現れたのであればその方の助けになることで借りはチャラになるということでした。この本を読んだ時、どこか肩の荷が降りた、意気込まず生きてゆくことを知る糧にもなりました。がむしゃらに頑張らず周囲と歩調を合わせてゆくこと、社会に共存することの意味をより深く考えるようになったのでした。