もう一つの物語

小説には続編があるものがあります。もともと初めから上下巻に分かれているものもあるけど、それとは違います。それはそもそも一つの長い物語を二冊に分けているのですから。続編はいったんそのお話は完結したんだけど、後に続きとして新たに物語が始まるといったものです。でも、それとも異なる、別の角度からの物語があることがあります。たとえば、主人公の友人の目線からのお話などです。本来の小説では主人公を囲む登場人物の一人としての役割だったのが、もうひとつの物語では主人公になってお話が進むのです。今まであんまりそういう類の小説を読んだことがなかったんだけど、これが面白いんです。ただ、個人的には最初に元のお話を読んでからの方がいいんじゃないかと思います。別人の目線だと時間の流れ方も違うし、「この時に実はこんなことがあったんだ」なんて新たな発見になったりします。そして、本編では主人公の感覚、想像でしかなかった部分が明らかにされることや全く触れられていなかった部分が表に現れてくることも興味深いものです。
少し前に読んで、とても面白かった小説にもう一つの物語があることを先日、知ったんです。今、すごく気になっています。そこにはまだ私が知らないことが沢山散りばめられているかと思うと、期待が膨らみます。早く読んでみたいです。