『ごちそうさま』の返し言葉

先日、小説を読んでいたら、一人の女性が食事を終えて「ごちそうさま」って言う場面がありました。そして、それに対して「よろしゅうおあがり」との返し言葉があったんです。物語の舞台が京都だったから、これは京都の言葉です。登場人物が「よく食べていただきましたね」という意味だと説明していました。小説ではそこでひと悶着あったんです。そう説明された女性は「おあがりって言われたら、今から食べるのかと思ってしまう」と反論したんです。でも、京都では『ごちそうさま』とセットみたいなものなんだそうです。そして、彼女は自分なら「お粗末さまでした」と返すと。こういう言葉って地方によって色々なんですね。もちろん、どれが正しいなんてないんだと思います。けど、ふと考えたんです。私ならどうだろって。そして、子供の時に母親はどうだったかなって。もし、私が誰かに『ごちそうさま』って言われたら、たぶんそれまでに会話があるから、「はーい。気に入ってもらえてよかった」とか「次はもう少し頑張るね」とかって話すように思います。そして、母はというと、小さい頃は「よく食べたね」とか「全部食べてお利口だったね」なんて感じだったかと思います。でも、大きくなってからは「よく食べたね」とは言われていません。もちろん「お粗末さま」でもありません。にっこり笑って「はーい」かな。
けど、何か気の利いた言葉を返せたら素敵だなって思いました。いつでも返せるように、ちょっと考えてみようと思います。