ヴァカンスって憧れ

日本人はよく働く人種だと言われていますよね。外国では数時間の昼休みがあったり、午後にはお昼寝をしたりと、日本では考えられないことがたくさんあります。そうそう、ヴァカンスをいう言葉も馴染みがないですよね。その言葉にぴったりくるようなことがまずないですもの。私のイメージでも海外のお話という感じです。早朝には小鳥の声を聞きながら散歩をし、昼間はビーチの木陰で本を読んだり昼寝をしたり、陽が落ちてきたら砂浜を歩いて夕日の美しさに見とれて、夜はゆっくりと夕食を楽しむ。憧れます。
先日、読んだコラムにはフランス人のヴァカンスについて書いてありました。それは、私のイメージに近く、日本での長期休暇とはおよそ異なったものでした。そもそも『ヴァカンス』とは『空っぽ』という意味なんだそうです。何もしないでボーっとすることを指しているんです。だから、日本人のように帰省をしたり観光をしたり、お祭り見物などあちこちに忙しく遊びに行ったりする休みではなく、一か所に滞在して何もしないで、のんびりと過ごすというスタイルなんだそうです。次の仕事のために心も体も十分に休めるという目的なんでしょうね。考えてみたら普段、何もしないでボーっとすることなんて、ほとんどないです。何もしなかったら時間がもったいない、なんて思いがちですもの。けど、本当は違うのかもしれません。『何もしないこと』が一番の贅沢であって、本来の休暇なのかもしれません。