懐かしい詩

先日、たまたま読んだコラムに『山村暮鳥』の事が書いてありました。初めすぐにはどんな人だか思い出せなかったんです。もちろん名の知れた詩人だということはわかったんですけどね。そしたら、『雲』という詩が載っていて「おーい、雲よ」というあの書き出しを見て、「そうだった、そうだった」と思い出しました。初めてその詩を知ったのは、たしか国語の教科書だったと思います。学校で習ったときには、そんなに感動もしなかったように記憶しています。あまりに簡単で短い詩だから優れた作品だとは全く思えなかったんです。でも、先日、読んだときには、なんて素晴らしいんだろうって感動でいっぱいになりました。言葉の一つ一つが心の中にスーッと入って来たんです。コラムに載っていたいくつかの作品はどれも、短く何気ない言葉が並んでいるのに、そのすべてが優しく体中に淡く沁み渡っていくものでした。
彼は明治から大正時代の詩人で児童文学者です。と言っても、私は児童文学者だったことは今まで知りませんでした。童話や童謡を書いているんです。そして、小説や随筆までありました。今まで教科書の中でしか名前を知らなかった人なのに、急に興味が湧いてきました。もっともっと色んな作品を読んでみたいって思ったんです。本当に優れた作品は時代には関係ないんだと思います。