短編小説と長編小説

小説を選ぶ時に私は長編を選びがちです。と言っても、何巻にもわたっているものはというと、そこまでは望みません。持ち運びやすい文庫本なら1冊が一つの物語になっているものが好きなんです。特に理由があるわけじゃないけど、本屋さんで「これ、面白そうかな」と思って、パラパラと中を見て、目次を見て、短編集だとちょっとがっかりした気分になるんです。1冊が1つの物語での完結を求めているのかもしれません。だから、その選択は重要なんです。読み始めたけど意外にもその世界に入り込めなかった時には、最後まで読むのにものすごく時間がかかったり、なかなか進まないがために途中で放置してしまって、代わりに他のものを探しだすなんてことになりかねません。
でもたまに、短編集だけど良さそうって思えるものに出会うことがあります。先日がそうでした。しばらく、少し重めの長編にどっぷりハマっていたからでしょうね。ちょっと気分を変えたいって無意識に感じていたのかも。でも、その本の冒頭にめずらしく著者の前書きがあって、自分がその本を書いたいきさつが掲載されていたんです。初めにそれを読んだら、さらにその小説に興味が湧いてきて早く読みたくて仕方なくなったんです。それなのに、意外にもその前書きが長くて……「まだ始まらないの?」なんて思ってしまったんですから。きっと、それが戦略だったのかも。読み手の心がわかっていますよね。今、ようやく一つ目の物語が始まったところです。これからの行方がすごく楽しみです。

カフェにコンセプトを

カフェで読書をするのが好きです。休みの日にコーヒーを飲みながらのんびりとした時間を過ごすのは家でももちろん可能だけど、カフェだとちょっと贅沢な感じがするんです。最近は本屋さんでも併設しているところが多いから、ゆったりと本を選んで、買う前にちょっと中身を確認してみたり、買ってそのままそこで読んだり、と有意義な休日を過ごせます。
けど、最近はもっと多様化しているんですね。先日、見かけた雑誌には『コンセプトカフェ』というものが特集されていたんです。その名の通り、何かのコンセプトを持っているお店なんです。「へぇ、変わってる!」って驚きのコンセプトを持ったお店がいくつも載っていました。なかでも面白かったのが『ものづくりカフェ』です。ショッピングモールでもちょっとした体験ができるイベントが開催されていることがあります。以前、旅先でカバン工房に行った時には『カバンづくり体験』があったのを覚えています。そういうのってなんだかワクワクしますよね。雑誌に載っていたそのお店は、タブレットに自分でデザイン画を描いて、それをシートにしてラテアートができたり、マカロンに好きな絵を描けたりと、とっても楽しそうでした。作ったものを使って食べたり飲んだりできるというのが嬉しいですよね。カフェは進化し続けています。