本の共有

本を読むときは一人ですよね。絵本の読み聞かせのように一冊の本を何人もの人と読むということはあまりありません。特に小説だとそうやって見るのは結構至難の技になってしまいますからね。けれど、同じ本を読むことはできると思います。
以前図書館で借りた小説を返しに行ったら、ちょうどすぐ後ろに並んでいた人が同じものを借りて行きました。有名な作品だったので、その図書館には同じ作品が数冊あるのです。なんだか見ていて嬉しくなり、話しかける事はしませんでしたが、心の中で「とても面白い話だったよ」と感想を送りました。
図書館の帰りに書店に立ち寄ったら、またもや同じ本を買おうとしている人を見かけました。凄い偶然だな、と思いながらも「面白いから是非読んで」と気持ちを送りました。すると念が通じたのか無事お買い上げして帰って行きました。
なんだか不思議な感じがします。私や今日会った人以外にも、日本中でたくさんの人に同じ文章が行き渡っていると思うと、共有するってとても面白いことだなぁと思います。音楽のコンサートのようにおなじ会場に居なくても、好きなものは好きなもの同士で見えない糸で繋がっているのではないかと思います。これからも良い作品に出会いたいです。