元気がないとき、私は無理に前向きになろうとはしません。そんなときにそっと寄り添ってくれるのが読書です。
ページを開く前から、本を手に取った重みや紙の感触が、少しだけ心を落ち着かせてくれます。今日は頑張らなくていい、と自分に言い聞かせるような気持ちで、静かに本を開きます。
元気がないときは、難しい内容や展開の早い物語よりも、言葉がやさしく流れてくる本を選ぶのです。
一文一文がゆっくり胸に染み込んでくるような文章だと、不思議と呼吸も深くなります。登場人物の小さな悩みや日常の描写に触れているうちに、「私だけが特別につらいわけじゃないのかもしれない」と思える瞬間があるんです。
ときには、共感しすぎて涙が出てしまうこともありますが、それも悪くありません。誰にも見せずに感情を外に出せるのは、読書ならではの時間だと思います。泣いたあとにページを閉じると、少し心が軽くなっていることに気づきます。答えや解決策が書いていなくても、気持ちを受け止めてもらえたような感覚が残るのです。
元気がないときの読書は、何かを学ぶためでも、自分を高めるためでもありません。ただ静かに、自分の心を休ませるための時間です。本の世界に身を預けながら、少しずつ気力を取り戻していく。そんな穏やかな回復の仕方もあっていいのだと、読書は教えてくれます。